ラベンダーと星空の約束
「流星のせいじゃなくて、うちにお金が無いせいでしょ?」
「んー…そういう事にしといて貰うかな…
けど、君が学校を辞めるって言った時、焦ったのも事実なんだ。
辞めて欲しく無かった…
俺の側からいなくなるのは嫌だった…」
「流星……」
「矛盾してるよな。
柏寮に居て欲しいと望んでいるのに、君を避けるなんて。
君が大樹を選び、俺は紫(ムラサキ)ちゃんを選び…
これでいいと思い込ませようとしたけどさ…
君を見る度、心が揺れて苦しい…」
流星……同じだよ。
私も同じ気持ちだよ。
大樹を選んだのに流星を見る度に切なくなって、
忘れなくちゃいけない流星への想いが、ムクムクと湧いてきてしまう。
隣に座る今も、
喜んではいけないと思いつつ、嬉しがる心を鎮められない。
そして、そんな自分の不埒(フラチ)な気持ちが嫌になる。
流星の側に居るのは、
嬉しくて切なくて苦しい……
「ゆかりちゃん、そういう視線を向けられるとさ…
俺、益々苦しくなるんだけど…」
「そういう視線…?」
「まだ俺の事を想ってるって…言いたげなその視線は止めてよ…
変な期待をしてしまうからさ…そんな目で見ないで。
早く心の底から大樹に惚れてよ。
そうしたら俺も、君から離れられる気がする…」