ラベンダーと星空の約束
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あれから数ヶ月が過ぎ去った。
今は2月。
フラノはすっかり雪に覆われ、広大な農地は銀世界に変わっている。
幼い頃流星と並んで座っていた白樺並木。
その白い幹も雪に紛れて見えにくい。
半月前、流星の通う名絖大附属高校の受験に東京まで行ってきた。
手応えはあったと思う。
今はただ特待生枠のトップ合格を祈るのみ。
そして今日、2月20日は合格発表の日だった。
東京まで結果を見に行くのは距離的に無理。
高校のホームページに10時に発表されるのを待つことにした。
今日も普通に授業があるので、
朝からソワソワしながらも、大樹と青空と一緒に中学校までの雪道を歩いていた。
朝7時45分。
空は綺麗に晴れ渡っているが、大気が物凄く冷えている。
今日の最高気温は−5℃。最低は−18℃。
今の気温は多分−10℃くらい。
フラノは盆地で、夏はそこそこ暑く冬は極寒の地。
ここで生まれ育った私達でも、冬はやっぱり寒いと思う。
並んで歩く三人の息は白い湯気となって消えて行く。
冷気が刺さって頬がピリピリと痛んだ。
髪の毛も睫毛(マツゲ)もすぐにパリパリに凍り付いてしまう。
寒く厳しい冬。
けれど、どこまでも何もかも真っ白な世界は荘厳で美しい…
足跡一つ無い真っさらな雪原に、一本の柏(カシワ)の大木がポツンと立っているのが見えた。