ラベンダーと星空の約束
私に見せたい物って…
疑問に思いながら静かにドアを5cm程開けて、教室の中を覗いてみると……
流星が女の子5〜6人に囲まれ、
困った表情を浮かべながらも笑っていた。
「あっ…」
その光景に思わず小さな声を上げてしまい、慌ててドアから離れた。
瑞希君に視線を向けると、
彼は腕組みをしながらドア横の壁にもたれ、横目で私を見ていた。
「大ちゃんさー、最近モテまくってるよ。
誰かさんのお陰で、チャラ男キャラ捨てた途端にこれだよ。
今まで大ちゃんを敬遠してた軽くない普通の女の子達が、あいつに興味を持ち始めてさ。
クリスマスも近いから
彼氏が欲しい子達に囲まれちゃって、毎日大変そうだよ。
告白ラッシュって感じ?
顔良し、ルックス良し、頭良し、
真面目に戻って性格最高。
彼女が出来るのも、時間の問題かもねー」
「………」
流星に彼女……
その可能性を考えてこなかった。
セフレ達との関係を切ってから、
流星の周りに女の子の影を感じなかったから。
何で気付かなかったのかな…
流星が一部の女子にしか人気がなかったのは、
軽さNo.1の称号を持っていたから。
それを捨てた今、
女の子に囲まれるなんて、当たり前の事なのに……