ラベンダーと星空の約束
◇
ショッピングモールに着くと、
まず目に付いたハンバーガーショップに入り、遅い昼食を済ませた。
それから大樹のプレゼントを探して、メンズ洋品店や雑貨などを見て回った。
ショッピングモール内はどこもかしこもクリスマスムード一色で、
ウインドウには赤と緑のクリスマスカラーのディスプレイが施され、
イルミネーションの光に彩られ華やかだった。
平日の昼過ぎなのに大勢の人が訪れているのは、
クリスマスが近い為か…それとも大都会はいつもこうなのか……
人が多いと言うことは、
瑞希君が心配していた輩も当然出没する訳で…
「ねーねー買物ー?
2人とも超可愛いーよねー
その制服明絖だよねー
お嬢じゃん!俺友達いるしー。田村って奴しらない?
ねーねー無視しないでよ、ねーねー」
まず最初は「ねーねー」としつこい、どこかの男子高校生2人組に声を掛けられた。
その後は……
「アンケートに答えるだけでショッピング券千円分あげるよ?
急いでるの?5分だけでいいんだよ?」
と、明らかにアンケート目的じゃない、スーツ姿の怪しいお兄さんに付き纏われた。
「すいませーん」と声を掛けられるとつい、
「はい?」と振り返ってしまい、
その度に瑞希君に怒られた。
「話しを聞いちゃダメだって言ってるでしょ!
目を合わせない!口を利かない!急いで立ち去る!分かった?」
「わ、分かった。
瑞希君てこういうの慣れてるみたいだね」
「そりゃー僕だもん。
読モとか何とかプロダクションとか、本物かは分からないけど、スカウトされたこともあるよ」
「凄いね……」
瑞希君て、男にしとくのが勿体ないとつくづく思う。