ラベンダーと星空の約束
 


「クリスマスプレゼントなんていらないよ?

誕生日に高そうなブレスレットを貰ったからそれで十分。

それに、今までクリスマスにプレゼント交換したりしなかったじゃない」



『今まではそうだけど、これからは違うだろ。

付き合ってんだから、俺がお前にプレゼントやってもおかしくねーよな?』



「一般論としてはそうかもしれないけど…

私、大樹の誕生日とクリスマスを合わせたプレゼント、1つしか用意してないよ…」



『…プレゼントくれんの?』



「あげるよ。買ってきたよ。当たり前じゃない」



『や…今までプレゼントはずっとケーキだったから…

今年は誕生日もクリスマスもお前いないし、何も貰えないと諦めてたんだけど……

プレゼントって何?何買った?』



「ふふっ 内緒。
明日郵送するから、2日後には着くと思うよ。

楽しみに…って言っても高い物じゃないから期待されても困るけど。

とにかく、大樹誕生日おめでとう!」



『ハハッ やっと紫の年に追いついた。
あっ まだ3日あるか』





大樹の声は弾んでいて、
まだプレゼントを手にしていないのに、

凄く喜んでくれるのが伝わってくる。



こんなに喜んでくれるなら、
もっと前から、ちゃんとしたプレゼントあげていれば良かったな。



今までケーキしかあげてこなかった事が勿体なく感じた。




『で?
紫が欲しい物は何?』



「だから、クリスマスプレゼントはいらないって」



『俺があげたいと思うんだからいいだろ。

金ならあるぞ?
夏にお前の所の店でバイトしただろ?

あの金取ってあるから大丈夫』



「え〜うちが払ったお金で私のプレゼントって、変じゃない?

払ったお金が返って来ちゃった感じ」



『深く考えんな。
ほら、何か言えよ』



「んーと…欲しい物…カメラかな?

〇〇の一眼レフの“EOP-1DXボディ”っていうやつ。58万3千円のやつ」



『無理に決まってんだろ!
アホか!』



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