ラベンダーと星空の約束
 


今回の期末テストでは珍しく
「英語がヤバかった」
と言っていた瑞希君だけど、


今回の2年の英語は例年より難易度の高くて、
学年全体的に点数が低く抑えられていたとの事だった。



それで、昨日発表になったテスト結果を見ると、

瑞希君は学年3位の好順位をキープしており、

担任から『学力と女装の関係』についての変なお説教を食らわずに済み、ホッとしたらしい。



今私の前ではしゃいでいるのは、
クリスマスで浮かれているだけじゃなく、

多分それもあっての上機嫌。



瑞希君曰(イワ)く、校則違反の女装をしていても先生に咎められないのは、

成績がいいからだそうで、
ほぼその為だけに彼は勉強しているらしい。




瑞希君は私の前でクルクルと回って見せた後、

モデルポーズを取りながら
「どう?どう?」
と感想を聞いてきた。




「う、うん。とっても可愛いし誰よりも似合うよ。

でも…そのまま行くの?寒くないの?」



「だって〜コート着たら見えなくなっちゃうじゃん。

ちょっと寒いけど、このショールだけで頑張る」



「みんなに見て貰いたいんだね……」





そんな訳で、サンタガールと2人で買い出しに出掛けた。



荷物を積む為に自転車を1台押して、近くのスーパーマーケットまで歩いた。



冬なのに地面に雪がなく、
自転車を使える事に違和感を感じてしまう。



12月末の雪深いフラノは、こうはいかない。



冬場の買い出しは、大抵親の車で週に一度のまとめ買い。



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