ラベンダーと星空の約束
受験勉強をしていると思っていたが…
たく丸さんは顔に何かの跡が付いてるから、寝ていたみたい。
亀さんが言う。
「準備を全てやらせて悪かったね」
瑞希君が答える。
「2人は一応受験生だからねー。余裕なんだろーけど」
「そんなに余裕を感じてはいないよ。出来れば首席で合格したいしね」
「もー、それを余裕って言うんだよ。
亀さんなんでT大受けないの?絶対受かるって、試しに受けてみなよ」
「いや、T大は合格したとしても行くつもりはないんだよ。
W大に前から決めてたからね。
あそこのオカルト研究会はレベルが高いんだ。
2年の高木さんが作ったホラー映画は、素人ながらに業界で高い評価を受けているし、
入学したら彼の元でホラー漬けの大学生活を送るのが楽しみなんだよ」
亀さんの大学選びの基準て…
ホラーなんだ……
師事したい教授がいるとか、興味がある分野の研究をしているとか…
亀さんならそんな理由なのかと思ってたのに意外だよね……
まぁ、らしいと言えば、らしいのかも知れないけど……
私はその理由に少し呆れていたけど、瑞希君は変に感心していた。
「ホラーでT大を振るなんて、ある意味亀さんて凄いよねー
あーもー何で皆そんなに頭いいのかなー
この寮で一番バカなのは僕なんじゃない?悔しーなー」
悔しがる瑞希君。
珍しく私がフォローしようとした。
「そんなことないよ!
瑞希君は頭の回転速いし、
良く気がついて相談にも乗ってくれるし、頼りにしてるから、ね?」
「だから〜僕に頼らないでって、この前言ったでしょ?
紫ちゃんも期末トップだったよね…全く可愛くないなー
頭いいんだから僕に面倒見させないようにしっかりしなよね。特に男関係!」