ラベンダーと星空の約束
「 大樹!?」
驚いた。
こんな風に突然抱きしめられた事もそうだけど…
それよりも私の肩に顔を埋め、ふるふると震えていることに一番驚いた。
「泣いてるの…?
大樹… ねぇ…顔上げてよ」
「………」
この腕を振りほどいて顔を見たかったが、
益々強く、締め付けるように抱きしめてくるからどうすることも出来なかった。
昔は腕相撲だってかけっこだって大樹なんかに負けなかったのに…
いつから身体能力で敵わなくなったのかな。
私の肩から顔を上げず泣き続ける大樹。
必死に声を殺そうとしているが、押さえ切れない呻き声が時々漏れていた。
こんな大樹を見るのは初めてだった。
いつもぶざけて馬鹿やって…
それが大樹のはずなのにどうしちゃったの?
私がいなくなることがそんなに淋しいの?
離してくれず何も言わない大樹に困惑していた。
どうしていいのか分からず、震える背中に手を回しそっと撫でてみた。