ラベンダーと星空の約束
 


大きい方の少年は日本ハムファイターズの野球帽を被り、小脇にサッカーボールを抱えていた。



3人ともよく日焼けして、青白い肌をした僕と違いとても健康そうに見えた。



最初に声を掛けてきたのは、野球帽を被った快活そうな少年。




「お前、カンコーのお客さん?
どっから来たんだ?」



「観光…と言えばそうかもしれない。

東京から来て1ヶ月間、滞在する事になってるんだ。

あそこのペンション岡崎に宿泊してるよ」



「まじ? ヤッター!

それならさ、本なんて読まないで俺達と遊ぼーぜ!

4人ならチーム分けしてサッカー出来るし、いいだろ?」



「あ…ゴメン。

僕は心臓が弱くて走ったら駄目なんだよ。ゆっくり歩くのが精一杯。

折角誘ってくれたのにゴメンね」



「走れねーの?
ふーん…分かった。

じゃあまたな。
紫、青空、行くぞ」



「私、ここにいる」



「あ? だってそいつ走れねーって言ってんじゃん」



「少し話してみたいから。
大樹は青空と2人で遊んで?」



< 396 / 825 >

この作品をシェア

pagetop