ラベンダーと星空の約束
大きい方の少年は日本ハムファイターズの野球帽を被り、小脇にサッカーボールを抱えていた。
3人ともよく日焼けして、青白い肌をした僕と違いとても健康そうに見えた。
最初に声を掛けてきたのは、野球帽を被った快活そうな少年。
「お前、カンコーのお客さん?
どっから来たんだ?」
「観光…と言えばそうかもしれない。
東京から来て1ヶ月間、滞在する事になってるんだ。
あそこのペンション岡崎に宿泊してるよ」
「まじ? ヤッター!
それならさ、本なんて読まないで俺達と遊ぼーぜ!
4人ならチーム分けしてサッカー出来るし、いいだろ?」
「あ…ゴメン。
僕は心臓が弱くて走ったら駄目なんだよ。ゆっくり歩くのが精一杯。
折角誘ってくれたのにゴメンね」
「走れねーの?
ふーん…分かった。
じゃあまたな。
紫、青空、行くぞ」
「私、ここにいる」
「あ? だってそいつ走れねーって言ってんじゃん」
「少し話してみたいから。
大樹は青空と2人で遊んで?」