ラベンダーと星空の約束
紫色の想い出

 


中学の授業を終え自宅に帰って来た。



ダイニングの食卓テーブルで宿題を広げ、シャープペンシルをカチカチ言わせている。



カチカチ…カチカチ…カチカチ…



勉強が分からなくて困っている訳じゃない。


イライラしてカチカチしちゃうのだ。



すぐ側からはゲームの機械音が流れ続けている。



しばらく見逃していたが、とうとう堪忍袋の緒が切れて、ゲームに夢中なこいつに言った。



「いつまでゲームやってんのよ!

大樹(タイキ)は宿題しに来たんじゃなかったの?

すぐにやらないと教えてあげないから!」




大樹と言う男は私の幼なじみ。


同じ歳の中学三年生だ。



一応断っておくけど、大樹がうちにいる理由は付き合っているからではない。



こいつがうちに居るのはごく自然なこと。


家が隣で行き来は頻繁。


生まれた時から一緒に育って来た様な物だから、私の兄弟…アホな弟みたいに感じる。



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