ラベンダーと星空の約束
しばらく背中を撫で続け、制服の肩口が涙でうっすらと湿ってきた頃、
私を抱きしめたままの姿勢で、やっと大樹が口を開いた。
「どうしても…行くのか?」
「うん…」
「お前きっと辛い思いすんぞ?」
「辛いって…?」
「あいつ…紫のこと忘れてるよ…きっと」
「そんなことない!
だって、あの本の表紙は私が写した写真だもの!」
「じゃあ、何で今まで連絡してこねぇんだよ」
「それは…」
それは…分からない。
色々と推測してみたけれど、確かな答えは見つからない。
違うかも知れないけれど今思いつく理由としては、
物語の少年のように悲しい未来予想に悲観して、私に会うことを諦めた…
ということかな。
でもそれは、ただの希望に過ぎないのかもしれない。
4年経った今でも、私のことを好きでいてくれると信じたいから。