ラベンダーと星空の約束
紫の中は暖かい。
潤んだ黒目が俺を見つめる。
色白の頬が紅潮して綺麗だった。
あの夏の少女が、今腕の中にいる。
夢みたいだ……
彼女が身に付けているのは、シルバーチェーンのネックレスだけ。
白く柔らかな胸元で、
紫水晶の輝きが弾んで揺れていた。
紫色は君の色。
綺麗だ…
君は誰より美しい…
腕の中で可愛らしく鳴く紫を、いつまでも見ていたかった。
だから…少しやり過ぎたかも知れない。
紫はもう声も出せない程疲れた様子で、俺の片腕を枕に、速い呼吸を繰り返していた。
無理もないか。
俺の息子がすぐに元気になってしまうから、短いインターバルを挟んで、立て続けに4回も付き合わせてしまった。
部屋の中はすっかり暗くなり、
カーテンを閉めずにいた窓からは、街灯の明かりが仄かに入ってくる。
寮の皆もそろそろ眠りに就く頃だろう。
「 紫…? 」
彼女の呼吸が落ち着くのを待ち声を掛けると、返事の代わりにスースーと可愛らしい寝息が聴こえてきた。
「ハハッ お疲れ様」
紫の額にキスを落とし、頭の下からそっと腕を抜いた。
起こさない様に気をつけてベットから下りる。
彼女の首元まですっぽりと布団を掛けた。
俺はまだ眠る訳にいかなかった。
やらなくてはならない事を残しているから。