ラベンダーと星空の約束
 


やだな…昨夜の意識があやふやだからって…

一瞬流星に対し、酷い事を思ってしまった。



大樹からの電話が鳴っても、流星は勝手に出たりしない。



大樹ならすぐに決着つけようと勝手に電話に出るタイプだけど、流星はそんな事しない。



さっきだって、

「大樹を思う気持ちを捨てろなんて言わない」

そう言ってくれたもの。





壊れたマグカップを箱に戻し、大樹に電話を掛けた。



しかし聞こえてきたのは、

「お客様のお掛けになった番号は、電源が入っていないか……」

という機械音声。



充電し忘れなんてよくあるけど…

何故か嫌な予感がしてしょうがなかった。



これからは『大樹離れ』しないといけないのに、

電話が繋がらないだけで不安になる。



画面に表示された『大原 大樹』の文字をじっと見つめていると、

不意に部屋のドアがノックされ、肩がビクッと震えた。



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