ラベンダーと星空の約束
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◇◇◇
[side 瑞希]
紫ちゃんが退院して柏寮に帰って来てから一ヶ月が過ぎた。
心配していた寮生活も学校生活も、大きな問題なく過ごせている様だ。
そして、大ちゃんとの恋もウザイくらい熱々で、
勘弁してって言いたい程、毎晩盛り上がってくれちゃって…
あ〜も〜
僕も彼女が欲しいよーー!!
ここだけの話し…
紫ちゃんは結構、僕のタイプだったりする。
僕が女の子に求める条件は、
まず第一に、この女装癖を受け入れてくれること。
これは絶対に外せない条件だよね。
自分が一番似合う格好をしているだけなのに、それを非難する子とは親しくなれない。
もう一つの条件は、僕と同じくらい見た目が可愛いこと。
これ言うと女子から嫌われちゃうから、誰にも言ってないけどさー、
自分の顔を見慣れてる僕にとって『美』は欠かせない条件なんだよねー。
校内でこれをクリアしているのは、紫ちゃんだけ。
何しろ僕って、相当可愛い男の子だからさー。
悔しいけど、そんな僕より紫ちゃんは可愛い。
校内一の美貌持ちの癖に
「瑞希君て本当可愛いよね…」
なんて真顔で言ってくる所をみると、
以前程じゃないけど、今だに自分の容姿について理解してないみたい。
良くこんな話しあるよね。
可愛い子がそうでもない友人に
「え〜私より〇〇ちゃんの方が可愛いよ〜」
なんて言っちゃう話し。
そう言うのを聞くとさー、
「心にもない事言って、この子性格ブスだなー」
て思っちゃうけど、
紫ちゃんの場合、素で言ってるのは間違いない。
本気で自分より僕の方が可愛いと思ってる。
悔しいから僕以上なんて、絶対に教えてあげないけどね。
少女らしさを残す愛らしい顔立ち。
長い睫毛と、パッチリ二重瞼。
黒曜石みたいな光のある瞳で見られると、たまにドキッとしちゃうよ。
髪の毛は艶々して、白い肌は超スベスベだし、
唇なんて、リップもグロスも塗ってないのに、天然ピンク色でプルプル。
吸い付きたくなるくらい魅力的。