ラベンダーと星空の約束
 


3月最初の週の木曜日。

明日は亀さんとたく丸君の卒業式。



明日の式の準備の為に午前中で授業は終わり、僕らは正午に柏寮に戻ってきた。



明日は卒業式で明後日は卒寮…

いよいよ2人が柏寮からいなくなってしまう。



亀さんもたく丸君も前期日程の入試で無事に志望大学に合格し、

2月の後半は5人揃って夕食を食べる事が多かった。



今日と明日の夜も当然宴会だけど…

それが終わればサヨナラだ…

淋しいな……




2年間色んな事があったよね。

特にトラブルメーカーの紫ちゃんが入寮してから、僕らの結託は一層強くなった気がする。



大ちゃんと紫ちゃんをくっつける為に、3人で画策した文化祭は楽しかったな……



最後の前の晩餐。
今日は焼肉パーティーでいいかな?



買い出し係の僕がメニューの相談に大ちゃんの部屋へと向かうと、

109号室の紫ちゃんの部屋から、2人の声が聞こえてきた。




「紫…これでいいの?」



「あっ流星、こっちから先に……ああっ…違うって……そう、そんな感じ……」




まさか…

ノックしようとした手を止め、耳をそばだてた。



毎晩の様に盛り上がってる2人のエロい声は聞き慣れてるけど…

いや、聞き慣れちゃいけないんだけどさ…


仕方ないじゃん。

何度か注意したのに、紫ちゃんはちっとも消音でやってくれないしさー。



僕だって、ヤリたい盛りの高2男子だよ?

聞こえてきたら、ついつい聞き耳立てちゃうじゃん!




そんな聞き慣れてしまった僕が、今「まさか…」と思った理由は、


真昼間から?って事と、

今回は、紫ちゃんがリードしてるっぽい台詞が聞こえるからだった。



紫ちゃんが…
エロで大ちゃんより優位に立ってる…?



なっ…何で!?

紫ちゃんのエロレベルが急上昇!?



これは、亀さんとたく丸君にも教えないと!!




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