ラベンダーと星空の約束
徐々に激しくなる甘い声の中、顔を赤らめながらオロオロしていると、
後ろから肩をポンと叩かれた。
驚いて振り返ると、女の子が一人ニコニコしながら立っている。
制服姿でライトブラウンの長い髪をツインテールに結んだ彼女は、
目が大きくて色白の、アイドルみたいな女の子だった。
「もしかして、今日入寮予定の人?」
「は、はい!
月岡 紫です。よろしくお願いします!」
「うふふっ 二宮 瑞希(ミズキ)だよ。こちらこそよろしく。
紫ちゃんより一つ年上だけど、タメ語でいいから。
で…立ち尽くしてどうしたの?他人の情事に興味あり?」
「違います!
私の部屋の鍵を、この部屋の人が預かってくれてるんですけど…」
瑞希ちゃんは可愛らしい見た目に少し不釣り合いなハスキーボイスで
「なるほど」と言った後、
ミニスカートからパンツが見えそうな程片足を上げて、
110号室のドアをゲシゲシと蹴り始めた。