ラベンダーと星空の約束
夜風に揺すられる、焦げ茶色の柔らかい髪…
色香を放つ瞳の上にハラハラと落ち掛かり、彼の視線を遮ってしまう。
それを長い指先で後ろに流すと、
色素の薄い瞳にラベンダーが映り込み、青紫色に輝いて見えた。
全てのパーツが美しい顔立ちの中、
右頬の笑窪だけが不釣り合いに可愛らしい。
6年前の面影を色濃く残す流星だけど、
成長した今の彼は、時々物凄い色気を放ち、私を翻弄(ホンロウ)する。
夜這い…
思わず承諾してしまったけど…大丈夫かな……
瑞希君に「消音で!」とまた怒られるかも知れないし、
隣の部屋の青空は、多感な中3男子…変な声は聞かせられない。
両親は1階に寝室があるから、2階の私の部屋から遠いけど、
絶対大丈夫とは言えない…
心配事が片付いたと思ったら新たな問題が発生し、
やっぱりこの夏休みは、ハラハラさせられる運命なんだと溜息をついた。