ラベンダーと星空の約束
 


北海道とロシアはカニで繋がっている!



私にとってロシアのイメージ第1位の「カニ漁」と口にすると、すぐに2人に否定されてしまった。




「そうか、紫は北海道目線だからな。

北海道の…しかも観光業目線。

すいません、彼女は一般的ではありませんでした」




謝る流星に釣られ、私もペこりと頭を下げた。



観光業目線…そうかもね…

一般的でなく申し訳ない。



結局その答えを見つけられないまま、ロシアの名所から話しがそれ、我妻さんが“奥さん自慢”を始めた。



さっき見せてくれた写真をまた取り出し、流星に自慢する。




「どうだい、羨ましいだろ〜?

アーニャは世界一だよな。

Очистите(綺麗)! 
Атака(優しい)! 
Умно(賢い)! 
Хорошо(素晴らしい)!


あ〜帰りたくなってきた。

一週間前に日本に来たばかりだけど、もうアーニャに会いたくなってきた〜

アーニャー!世界一美しい君に今すぐ会いたいよー!」




「…… 確かに美しい人ですが…
紫の方がкрасота.(美人)」




「いやいや、彼女も可愛いと思うけど、まだ高校生だよね?

色気が足りないよ〜

アーニャの大人の魅力に比べたらまだまだ……」




「紫だって時には色気を放ちますよ?

普段はこんな風に可愛らしい彼女も、夜はとてもエロティックです。

誰にも見せたくないけど、お見せ出来ないのが残念。

想像して下さい。
昼間の可愛らしさと夜の妖艶さ…

紫が30代の女性に負ける筈が…」




「アーニャは29歳だ!!」





恥ずかしい話しで盛り上がる2人。



言って置くが、私は夜になると色気ムンムンの大人の女性に変身したりはしない。

エロティック?な自覚もない。



どっちかと言うと受け身だから……と、こんな話しは恥ずかしいから言わないけど、

この白熱する2人に
「もう少し声のトーンを下げて」
とは言いたいと思う。




今まで私の中の写真家のイメージは、気難しくてストイックなイメージだった。



だけど我妻さんは…真逆だよね。



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