ラベンダーと星空の約束
 


こうして流星と繋がっていても、今日は何故か不安で淋しい……



何故……?



考えても分からないその理由を…全て雨のせいにしたくなる。



ザーザー……ザーザー………パラパラ…バラバラ……ザーザー……ザーザー……ザーザー…………




雨のせいだよ……

柏寮が壊れるんじゃないかと心配になる程激しく降る、この重たく冷たい雨のせいだよ……



流星がぶるりと体を震わせ短く呻いた。



私の中から出て行こうとするから、思わずしがみついて引き止めてしまう。



呼吸を整えながらクスリと笑う彼は、

「少し待ってくれたら2回戦に入れるから…」

何かを勘違いした言葉をくれる。



そしてやっぱり、そっと優しく壊れ物を扱う様な力で、私を包むんだ……



もっと強く抱いて欲しいのに……



雨のせいで不安な気持ちが降り積もるから…

もっとギュッと抱きしめて安心させて欲しいのに……




「流星…
雨の音が…嫌だ……」




「雨嫌い?初めて知った。

こんな嵐みたいな天気じゃ、心細くなるよな。
柏寮は相当ボロだし。

大丈夫、こんだけ降ったらきっと明日は晴れるさ。

天気予報も晴れマークだったよ」





流星の胸板に顔を当て頷くと、私の背中に回す腕に、さっきよりは力を込めてくれる。



雨が上がれば、きっと大丈夫……



この雨音が聴こえなくなれば、得体の知れないこの不安も…

きっと消える…筈……





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