ラベンダーと星空の約束
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私の部屋は210号室。
二階の一番奥、南東の角部屋だ。
この部屋は柏寮で一番日当たりが良く、他の部屋より少しだけ広い。
ここは今まで瑞希君が使っていたそうだが、
珍しい女子の入寮者と言うことで、わざわざ部屋を引越し譲ってくれた。
瑞希君て、女装癖には戸惑うけどかなりイイ人みたい。
親切で面倒見が良く、優しい。
シャワールームの予約の入れ方や共同洗濯機の使い方、掃除当番についても彼が教えてくれた。
卒業生が置いて行ったIHコンロや炊飯器など、
自炊に必要な家電も、空き部屋から探して私にくれた。
彼が男だと知った時には驚き、この寮に女は私だけという事実に焦りもした。
でも良く考えたら、私は昔から女子より男子と遊ぶ時間が多かった。
中学校内ではクラスの女子と仲良くしていたが、
放課後の遊び相手は大樹と弟の青空だけ。
その理由は女子の家は遠すぎたから。
畑が広がる中にポツンポツンと家が点在する場所で暮らしていた私は、
距離的に遊びに行ける友達が限られていた。
因みに隣の家の大樹とも、自転車5分の距離が開いている。