ラベンダーと星空の約束
整った設備と有り余る食材に、ウキウキしていた。
もっと作りたいな。
でも私と瑞希君の2人じゃ、食べ切れないかな?
流星がいたら、おかずが残るなんて有り得ないけどね。
大食な流星は、作った分だけ残さず綺麗に食べてくれる。
私と瑞希君が食べ切れずに残したら、流星が食べに来てくれないかな?
そうだ!
流星の好きなだし巻き玉子を焼いたら、匂いに釣られて帰って来るかも!
卵4個分のオムレツがホカホカと湯気を立てているのに、鼻唄を歌いながら更に卵を割り始めた私。
瑞希君はまだベランダの扉の前で突っ立ったまま、楽しげな私の様子を呆然と見ている。
顔面蒼白の彼は、片手で口元を覆いながら、震える声で呟いていた。
「…無理だよ…大ちゃん…………
僕じゃ足りない……支え切れない………
どうしよう……紫ちゃんが…壊れちゃったよ……………」