ラベンダーと星空の約束
私達5人はそれぞれの想いの中で柏寮の終わりを見届けた。
その後は…
私と瑞希君は授業をさぼった事を先生に叱られ、
亀さんとたく丸さんは
「卒業生だからと言って勝手に校内に入っては駄目だ」
と指導され、
大樹は…
「お前誰だ?」
と異物を見る様な視線を向けられ、追い出された。
◇
『…でさー、カラー間違えたの、僕のせいにしようとするんだよ?
酷いよねー』
「………」
『紫ちゃん…聞いてる?』
「聞いてるよ。
人のせいにするのはダメだよね。それからどうなったの?」
『僕そういうのって許せないから、店じゅうに聞こえる声で言ってやったんだ…−−―――』
終わらない電話に痺れを切らし、
「家ん中で待ってっから」
と大樹は私の家の方へ歩き去る。
満天の星空の下、ラベンダーの香りのする心地好い夜風が頬を撫でていく。
瑞希君の仕事の話しを聞きながら、一人静かに思い出していた。
柏寮で過ごしたあの大切な日々を………