ラベンダーと星空の約束
 


昔の彼は物凄く優しかった。

昼夜の気温差の激しいフラノで、昼は暑くないか夜は寒くないかと良く気遣ってくれた。



地元っ子の私は、そんなの慣れているのにおかしいよね。

あの頃は、流星こそ体調に気を付ける必要があったのに。



遊ぶ時も、いつも私のやりたい事を優先してくれて、

もう帰って休みなよと言うまで、隣にいてくれた…




コンビニの袋に、昔の流星の優しさを垣間見た気がした。

思わず頬が赤くなる。



すると流星は、腕を伸ばして私の前髪をすくい上げ、顔を近づけて来た。



額と額がくっついて、綺麗な顔が至近距離にある…



急に接近されて焦った。

キスされるんじゃないかと思い、慌てて口を押さえ防御すると、
彼は苦笑いしながら離れて行った。




「顔が赤いから、熱でもあるのかと心配しただけ。

安心して、俺は無理矢理女の子をどうこうしたりしないから。

それに、訳あってキスはしない主義なんだ」




そうなんだ…下心は無かったのか…
疑ってごめんなさい。



無理矢理女の子にエッチなことはしないんだね。

良識あるチャラ男ってこと?

襲われる心配をしなくていいのは、ありがたい。



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