ラベンダーと星空の約束
キスしない主義と言うのはどうしてだろう?
5年前は確かに私にキスしたのに、
何でそんなポリシーを持つようになったのかな…
その疑問がつい口に出てしまう。
「どうしてキスしないの?」
そう聞いてから、すぐに「しまった」と後悔した。
だってこれじゃ、キスをせがんでいる様にも聞こえてしまう。
案の定そういう風に捉えた流星は、一瞬驚いた顔をした後ニヤリと笑った。
「キスして欲しかったの?
てっきりそういう方向はNGだと思っていたのに、攻めても大丈夫なのか……
口にはしないけど、他の場所にはしてあげるよ。
取りあえず廊下はマズイから、部屋に入ろう」
私の腰に腕を回し、そのまま部屋に上がり込もうとする彼を慌てて止めた。
「違う!
ただキスしない主義なのはどういう理由なのか、単純に気になっただけ!
別に誘ってないから!」
「え〜?何それ〜…
すっげー喜んだ俺が馬鹿みたいじゃん。
ゆかりちゃんてさー、
ふわふわして甘い感じなのかと思ったら、結構ドライだよねー
その見た目とのギャップにもそそられるけどね。
なんて言うのかな…攻略してみたくなる感じ?」
攻略…
流星の中の恋愛はゲーム感覚なのか…
もしかして、私が本気で恋した昔の流星は、偽物だったりして…