ラベンダーと星空の約束
 


キスしない主義と言うのはどうしてだろう?

5年前は確かに私にキスしたのに、
何でそんなポリシーを持つようになったのかな…




その疑問がつい口に出てしまう。


「どうしてキスしないの?」


そう聞いてから、すぐに「しまった」と後悔した。



だってこれじゃ、キスをせがんでいる様にも聞こえてしまう。



案の定そういう風に捉えた流星は、一瞬驚いた顔をした後ニヤリと笑った。



「キスして欲しかったの?
てっきりそういう方向はNGだと思っていたのに、攻めても大丈夫なのか……

口にはしないけど、他の場所にはしてあげるよ。

取りあえず廊下はマズイから、部屋に入ろう」




私の腰に腕を回し、そのまま部屋に上がり込もうとする彼を慌てて止めた。



「違う!
ただキスしない主義なのはどういう理由なのか、単純に気になっただけ!
別に誘ってないから!」



「え〜?何それ〜…
すっげー喜んだ俺が馬鹿みたいじゃん。

ゆかりちゃんてさー、
ふわふわして甘い感じなのかと思ったら、結構ドライだよねー

その見た目とのギャップにもそそられるけどね。

なんて言うのかな…攻略してみたくなる感じ?」




攻略…
流星の中の恋愛はゲーム感覚なのか…

もしかして、私が本気で恋した昔の流星は、偽物だったりして…



< 85 / 825 >

この作品をシェア

pagetop