ラベンダーと星空の約束
フラノでは、父の知り合いのママさんのスナックで、歌ったことがあるくらい。
古いタイプのカラオケ機器には今流行りの曲はなく、
ママさんが好きな、昔のアイドルの曲を歌わされたんだ。
どうしよう…最近の曲、歌えるかな…
不安はあるけど折角のお誘いだし、友達も欲しいから行こうと思った。
男子が離れて行った後、山田さんと鈴木さんが私の席に椅子を寄せる。
「紫の側にいるとイイコトあると思ったんだー!
カラオケ奢りだって。ありがとね」
「ぶっちゃけ、あの3人の中で誰がタイプ?
私はケントがいいかなー」
ネタばらしを始めた二人。
もしかして…私は餌にされたのだろうか?
やけに親しく話してくれたと思ったら、そう言うことか。
その魂胆に少し淋しく感じたけど、これから仲良くなればいい。
話し掛けてくれて嬉しいし、これで孤立しなくて済む。
山田さんが私の顔をマジマジと見て聞いた。
「肌綺麗だよね。
ファンデーション何付けてんの?」
「何も付けてないよ?」
「嘘っ スッピン!?
うあー…嫌味だねー…」