ラベンダーと星空の約束
食券販売機の前は、かなりの行列。
流星はその列に並ぶことなくスタスタと前の方へ歩いて行く。
何をする気かと見ていると、彼は一人の女の子に親しげに話し掛け、
それからすぐに私の方へ戻って来た。
並ばないで女の子に頼んだみたい…ズルイ…
数分して、頼まれた女の子が流星の横に来た。
「大ちゃーん!はいA定2枚ね」
「サンキュー!
由美ちゃん優しー!益々惚れちゃうー!」
「そんなこと言っても奢らないよ?」
「やっぱり…?ほーいお金ね」
流星が財布を出したのを見て、慌てて私もお礼を言いお金を払った。
私が見ているのもお構いなしに、
その女の子は流星に腕を絡め甘えた声を出す。
「ねぇ〜今日大ちゃんの部屋に行ってもいーい?」
「いいよー…と言いたいとこだけど…
今、俺の部屋はマズイんだ…」
そう言いながら、私にチラリと視線を向ける流星。
この女の子もきっとセフレ…
俺の部屋はマズイって、私に気を遣っているのだろうか?
流星の部屋110号室は、私の部屋210号室の真下だった。
盛り上がったら声が聞こえてしまうのかも知れない。