彼と私と私の姉
prologue
わかってる
わかってたんだ
私はお姉ちゃんの美しさを
引き立てる存在でしかない
たとえそれが偽物でも。
それでも私が好きな人はみんなお姉ちゃんが好きで。
好きだと言われて付き合った人達も
お姉ちゃんを知ると
毎日家に来たがる。
どうしてわからないのかな。
完璧なひとなんて
居るわけない。
どうしてわからないのかな。
あの完璧なカオを外すと
あんなに怖いカオをしているのに。
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