~恋の芽生え、愛の証~
love1
2010年の春、
二人は出会った。
まだ肌寒い季節。
桜のつぼみはようやく膨らんで
春の知らせを伝えるかのように風が吹く。
真(まこと)は窓を少し開け、空を見上げて息を吐いた。
「今年もよろしくな。また、ここで桜が見られるなんて…」
俺はこの学校に来て2年目になる。
生徒たちともすっかり打ち解けて教員生活はにぎやかなくらいだ。
私生活はどうかって?閑古鳥が鳴いてるよ。
そんな俺に天使を紹介してくれたのは校長だった
「真先生、こちら齋藤さな先生。
今年度から新しくここで働いていただきます。さな先生、もしわからないことがあれば真先生にお聞きなるよう。」
「「はい」」
「齋藤さなです。よろしくお願いします。」
さなの笑顔に一目惚れ
『なんて美しいんだ。
電撃が走ったかのようなこの感覚。
ハートビートが加速するばかり。
あぁ、この世にこんな素敵な女性がいただろうか、いやいない。これは、もしや、運命なのではないか!
かの有名なベートーベンの運命の曲が脳裏で流れているっ。
ジャジャジャジャーン!ジャジャジャジャーン!』
『真先生って面白い人だわ。
って、べつに、笑ってなんかないんだからっ。ちょっと緊張が解れただけっ。
それよりあたしの机はどこ?』
「真先生、真先生!」
『可愛い声が俺を呼んでいる。』
「何でしょうか?」
「あたしの机って……?」
『そんなのもちろん俺の隣さ。……なんて言えない』
「さな先生は2組の担任ですので隣かな?」
「わかりました。」
『ってことは、あたし、真先生の隣ってことだよね?
なんか、ちょっと楽しみ!
ってべつに、ドキドキとかそんなんじゃないわっ』
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