もう二度と恋なんてしないと思ってたのに...
すると急に
朝川は寂しそうな顔をした。

俺はそんな
朝川の涙をそっと拭った。

すると一瞬
朝川の体がビクッと動いた。

だけどその直後は
顔を赤くして俯いた。

『ねぇ。石川』

『ん?』

『私ね。誰かを好きになることが
怖いんだ。




...前みたいに。
失いたくないんだ。
私がそばにいるせいで
失うのはもぅ嫌なんだよ。』


『...なぁ。朝川。』

『何?』

『絶対失うのか?それは。
お前と一緒にいるやつは
全員失うのか?


...違うだろ?

だってお前にはさ
伊藤がいるだろ?
伊藤は大事な人だろ?
お前のそばにいる人だろ?
お前...失ってねぇじゃん?伊藤の事』

< 81 / 98 >

この作品をシェア

pagetop