デビル双子にいじられてます。
「ね、橘さん。あなた桃真くんと楓弥君のメアド、知らない?」
「………知りませんけど」
それを知って一体どうするんですかね。
やはりけばけばしい感じの3年生3人に囲まれたあたしは優しそうな笑みの3年生につられ、へらりと笑った。
途端に3年生の顔が険しく険しくなる。
……メアドだけが知りたかったわけですね。
「あんたさぁ。生意気なんだけど1年のくせに」
「さっさと桃真くんと楓弥くんから離れろ」
…………ぐちぐちぐちぐちうるさい。
あたしだって離れたいと思うときあるよ。
さっきだってホントに遠足行くの嫌だと思ったよ。
……だけど。
ちょっとだけ。
ちょっとだけ楽しそうだなって思っちゃったんだよ。
奴らといるのが楽だったんだよ。
「……」
「何無視してんだよ」
「……」
「…ちょっとは喋れよ!!」
あ、これは殴られるな、と少し身構えて、それでもまあ慣れたし。と諦めかけていた時。
「………ぁ、の…!」
またあの、さっき聞いたばかりの鈴の音のような声がした。