デビル双子にいじられてます。









そもそも、コイツが倒れるからいけねえんだ。









あの体育の時間、俺がスリーポイントを決めたすぐ後にバタンと大きな音がして、「橘」という単語を聞いた瞬間。








俺は自分でも知らないうちにコイツを抱き上げていた。












………俺はコイツが“だいきらい”なんだよ、だから近づきたくなんてねえのに。







抗えない引力みたいに俺の体が勝手に引き寄せられるんだよ。






なんだっつうんだ、なんで俺がコイツ背負って帰ってるんだ。






背中が少し暖かい。








奴が、俺の背に乗っている。








「重いっつうんだよ、」








すやすや、寝息を立てているコイツの長い髪がかかってくすぐってえ。









< 326 / 539 >

この作品をシェア

pagetop