デビル双子にいじられてます。
そもそも、コイツが倒れるからいけねえんだ。
あの体育の時間、俺がスリーポイントを決めたすぐ後にバタンと大きな音がして、「橘」という単語を聞いた瞬間。
俺は自分でも知らないうちにコイツを抱き上げていた。
………俺はコイツが“だいきらい”なんだよ、だから近づきたくなんてねえのに。
抗えない引力みたいに俺の体が勝手に引き寄せられるんだよ。
なんだっつうんだ、なんで俺がコイツ背負って帰ってるんだ。
背中が少し暖かい。
奴が、俺の背に乗っている。
「重いっつうんだよ、」
すやすや、寝息を立てているコイツの長い髪がかかってくすぐってえ。