デビル双子にいじられてます。









* * *







「…おぉう」





あたしはシンデレラの衣装、ずたっぼろの衣装を着てサイズピッタリだ、と感嘆の声を上げた。





そうだそうだ、シンデレラって最初はこんなみすぼらしい服だったけど、結果的に王子様と幸せになるんだよねー、いーなー。





物語を思い出しながら、うんうん、うなずいていると。






「おっ、プリンセス!」





「へ、……あ、荒居くん」





後ろから声がして、振り返ると今日の王子役荒居君が後ろにいた。





余談だけど王子役はくじで決まったらしい。どんだけ適当だよ。







「やっぱり映える人はどんな服を着てても映えるね、僕そういう人種じゃないからなぁ」






そう言って髪の毛をわざとらしくかきあげる姿は「『そういう人種』です」と仕草で言ってるようなものだ。






つまりは、ナルシスト。






……かもしれない。あんまり喋らないけど荒居君はいつもポーズを決めてたイメージがある。






あたしの勘違いかもしれないけど。







「……て言っても、僕、いろんな人から「かっこいい~!」ってお世辞でも言われちゃうんだよね、よく。だから自惚れそうなんだけど」







あ、勘違いじゃねえやコレ。







大丈夫だろうか、劇。








< 497 / 539 >

この作品をシェア

pagetop