デビル双子にいじられてます。
* * *
「じゃ、開演します!」
委員長の活気溢れる声が皆の空気を一層張り詰めさせる。
「いよいよか、」
結局セリフは全部覚えられなかったけど、ピックアップしたところは何とか覚えられた。良かった。
「頑張ってネ❤」
そう言ってあたしの近くに来て、肩を撫でる荒居君。
その触り方がやけにべっとりしている気がしてぞっとしながら苦笑いで「う、ん」噛みながら返した。
いけないいけない、劇に集中。
そう自分に言い聞かせ、かなりの緊張をしながらステージへ足を踏み入れる。
継母役、姉役の人たちがすでにあたしを呼んで憤怒の表情で高いヒールで床をたたいていた。
『シンデレラ!早く床掃除しなさいよ!本当使えない子!』
『仕方ないわよ、だってこの子は灰かぶり、何もできやしない。本当邪魔だわ』
……演技うっま。