デビル双子にいじられてます。
それから劇は着々と進んでいった。
あたしは早業でドレスに着替え、12時ぴったりにガラスの靴を落とし、王子(荒居君)が従者を引き連れて家に来て。
『もう娘はこの家にいませんか?』
『はい、いませ…『待ってください!』
『……!?お前、あれほど出てくるなと…!』
『…娘がもう一人いたようですね。娘。靴を履け』
『は、はい…』
まあこんな感じで劇は好調。観客も静かに見守っている。
相変わらず演技が上手な継母役達は、悔しさで顔を歪ませている。
『おお!靴がぴったりはまった!』
『それではあなたがあの夜の?!』
『…はい、そうです』
荒居君は一瞬にやり、笑って、『…名は何というのですか?』とあたしに問う。
あたしは胸を張って『シンデレラです、王子』答えた。
『…シンデレラ。私と結婚してください』
王子があたしに言う。今思ったけど王子、名前も知らない人と結婚していいのか?