デビル双子にいじられてます。
文化祭--Last kiss--
* * *
「おいっ…オイッ!!」
「何?」
「歩くの速すぎ!」
そうして迎えた夜7時頃、皆はグラウンドに集まってきゃーきゃーはしゃいでいた。
その中には勿論、
「んんっ…」
キスをしている恋人も多数。
まさかここまでいるとは思っていなかったけど、やっぱりこういうの、女子が好みそうだ。噂とかジンクスとか。
まあ今回はあたしもそのなかの一人だ。
さすがに人前ではしづらいので、どこに連れて行こうかと思案していたとき。
人気が割と少ない校舎裏で、楓弥が立ち止まった。
急に立ち止まられたので、疑問に思って振り返った。
「どうしたの?」
「……あのさ、…オマエ今から何しようとしてんの?」
「は?」
え、嘘、まだわかってなかったのか。
そうかあたし、口に出してないや。そうかごめんごめん。
「キスだけど」
「…は?なんで?」
なんで、って……。
ええと、女子の会話を聞いたから?
『アピっちゃおうかな』と可愛く頬を染めて考える女の子の姿が脳裏に浮かんだ。
『彼女いないらしいよ』って、言ってたけど。
「……あたしが、彼女だし」
「は?」