デビル双子にいじられてます。
* * *
「ハァイ、入刀しまーす」
「……」
そう笑いながら先輩たちがあたしの髪の毛をぐ、と強引にハサミに近づける。
ここまで腐ってたか。それくらいしか別に思わない。髪の毛なんてすぐ伸びるし。
…―――あー、でも双子に見られたらいじり倒されるんだろーなー…とぼんやり考えていると。
「……おいブス。テメーこんなとこで何やってんだよ」
「そ~よ~。何々、おままごとしてんのセンパイ?」
その場にそぐわない声があたしにす、と届いた。
……どうしてこの場所に。そう一瞬思ったけど。
もう何も考えたくないや。
いつもはすごく憎いんだけど。
なんで今のあたしには心地よく感じたのかは、わからなかった。