愛を知ったとき

「落ち込まないでくださいよ。俺の同級生は谷本先輩を落とせるとか思ってませんよ。」

「マジ？…良かった…」

また笑顔。本当俺に心開いてくれてるって分かる。
亮先輩は、心を開いてない人がいる時は無表情なんだ。

「ていうか、谷本先輩の事…」

「好きなのかもしれない。俺さ、谷本の事入学した時からしってんだよ」

「え？一目惚れしたんですか？」

俺は、聞きたくなった。なぜ、成美なんだろうと。

「うん。一目惚れってやつかな。多分だけど好きなんだよ。説明できないけど」

亮先輩は言った。成美…羨ましいぞ。お前。

「亮先輩ってたまにピュアですよね。」

「うるせーわ」

先輩の頬が赤くなってる。
多分、成美と亮先輩は似てると思う。

新しい環境に慣れないとことか、悲しい事とか辛い事があっても、誰にも言わず1人で解決しようとするところか。

うん。似てる。

だからかな、亮先輩が成美の事を好きになったのは。