愛を知ったとき

~放課後~

樹菜は先生に呼ばれて職員室。
だからあたしは待っている…が。

相坂くんと教室で2人きり。
相坂くんは教卓の上に足を組んで座ってる。

多分、高本くんを待っているのだろう。


…沈黙。

この静かさに耐えられなくなったあたしは小説を読もうとした。

…が、小説を持っていなかったため、伏せて寝ることにした。

「谷本ってさ、誰か待ってんの?」

相坂くんが話しかけてきた。

「…樹菜を待ってる」

「そか」

顔を上げて見ると、相坂くんと目が合った。

無表情で何を考えているのがよく分んない。

「えっと「バンッ!亮〜?おまたっせー!」

あたしの声はいきなり入ってきた高本の声でかき消されてしまった。
< 27 / 35 >

この作品をシェア

pagetop