彼とワタシの秘密事♡
え…怜司くん?
そう思ったら、急に後ろに人の気配がした。
後ろを振り向くと、ハトバレイジがいた。
「そこ、通れない」
そっか、教室のドアに私がいるせいで教室に入れなかったのか。
「ご、ごめんなさい!」
そう言ってすぐ退くと、ハトバレイジが私をジッと見てくる。
…な、何?
「あの…私、顔に何か付いてますか?」
「もう、帰るの?」
え…?何か話がかみ合っていないような…
でも、とりあえず返事した方が良いよね…!
「はい、帰ります。」
「そっか、じゃあまた明日」
「あ、はい、またあし…」
「名前なんていうの?」
もう、全く話がかみ合っていない。
この人はきっと天然な人なんだと思った私。
でも、ハトバレイジは自己紹介したけど、私たちは、自己紹介まだだもんね…
「えっと、私の名前は桜木リコです」
「そっか、よろしく」
「よろしくお願いします。では、私は帰りますので…」
早く帰らなきゃ!
時間がそろそろヤバい!
「そっか、じゃあまた明日ね、リコ」
「はい、また明…日?」
今、リコって言わなかった!?言ったよね!?
いきなり呼び捨てって…
そんな事を思いながらも、急がなければいけないので、私は、すぐに教室をあとにした。