隣の伊東くんは小学生




「普通のことをすればいいんだよ」

「普通?」

「そう。普通のカップルみたいに、両想いから初めるの。ちゃんと自分のことを好きになってもらってからね。麻衣みたいにいきなり付き合うんじゃなくて、ちゃんと段階踏んでからじゃないと」

「うーん…」




それが出来ないから困っているのだけどなあ。

そりゃあ両想いになってから付き合いたいけど、もし意中の彼が他の人にかっさわれたら元も子もないじゃん。


ん?でも私の場合は結局好きになってもらえず、別れてるから他の子に取られることとあんまり大差か?

いや、ここはひとまずそれは置いておこう。
考え過ぎたら堂々巡りなような気がするから。




それより他にも藍に質問したいことがある




「じゃあどうしたら両想いになる?」



これがわかったらこれからの方針が見えてくるからね。
両想いになるためのプロセスが!




「それは……」

「それは?」



少しためて言う藍をじっと見る。
次に発する言葉を待ち構えるように。






「頑張るしかない」




真面目にそう答えた藍。


その言葉を聞いて思わず大阪の新喜劇のようにコケてしまいそうになる。




いやいや藍さん、頑張るしかないことは分かってるんですよ。
そんなの当たり前じゃないですか。





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