【完】小さなしあわせ、重ねよう。
いつだってひとが優先で、自分のことなんて後回し。
ひとが困っていれば笑顔で手を差しのべ、精一杯尽くす。
そして極度のお人好し。
俺がアメリカに行く前、ティッシュを買いに行ったのに何も買わずに戻ってきたことがあった。
何故かと訊くと、笑顔で
『おばあちゃんが品切れで困ってたから譲っちゃった!』
そう言った。
自分だってなくなって困ったから買いにきたんじゃないのか、と思いつつも畑辺の心の広さに脱帽した。
畑辺はそんな明るくて優しいひとだ。
でも、そうやっていつも明るく元気に振る舞うのって正直疲れると思う。
だから、俺と一緒のときくらい甘えたっていいじゃないかって、
俺が畑辺と一緒にいるとこうして安心できるように、畑辺が俺と一緒にいて安心できるような、俺はそんな存在になりたいって思う。
だって、畑辺は俺が初めて本当に好きになったひとだから。