【完】小さなしあわせ、重ねよう。


「年明け・・・」


チュッ


騒がしいテレビの音など雑音のように、甘いリップ音が部屋中に響いた。


またもや畑辺の言葉を遮って、
なんとなくしてみた。


「えっ…?!」

「・・・明けましておめでと」

「あ、うん?おめでとう??」


かなり困惑気味の彼女。
何故このタイミングなのかサッパリわからない……という顔をして、
目をパチクリとしばたかせている。

それにまた唇を近付けると、


「だぁめ!次は私からっ!」


そう言ってグッと顔を近付けてきて、
唇にそっと、


チュッ


ほんのり甘いシャンプーの香りと共に、
甘くて優しいキスをされた。





年明け早々、
バカップルだなぁ
と我ながらに感じた瞬間だった。


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