【完】小さなしあわせ、重ねよう。
疑問に思いながらまたシチューを口に運んだ。
そしてもう一口、二口、三口...
…運ぶ手が止まらない。
「ふふっ...気に入ってくれたんだ?」
「…うん。好き」
「よかった。田邊くんシチューにはうるさいから心配だったんだよねー」
…嬉しそうで楽しそうな顔してるのって畑辺じゃない?
とは口にしなかったけど、今の畑辺の顔はそんな顔だ。
てか、
「…なんで田邊くんって呼ぶの?」
「え?!いきなりどうしたの?」
「…いや、なんとなく」
ホント、今なんとなくそう思ったんだよね。
…思ったことすぐに口に出すクセなおそう。
「んー...ナイショ♪」
「えー」
「じゃ、そういう田邊くんは?」
「んー...教えてもいいけど、今は言わない」