【完】小さなしあわせ、重ねよう。


「俺も手伝う」

「ありがとう。じゃあ、台拭きしてこのお皿運んでもらえる?」


俺、やっと...やっと!
手伝わせてもらえた!

彼女が来た初日は、もう終わったと言われ、
翌日は危ないからいいと言わた。

そして今日1月2日、本年度初!
…というよりかは、付き合って初の手伝いだ。


「うん!」


明からさまに声のトーンが上がったせいか、変なのっ、と言われた。
あの可愛い笑い顔で。


…別に変とか言われてもいいし。
だけど、


「…その笑顔反則っ」

「きゃっ...も~」


後ろから抱きついてやった。


『ここ俺ん家だから何するかわかんないよ?』


なんてことは口が裂けても言えないけど...

…って、これじゃ俺、ヘタレ街道まっしぐらじゃない?
う~ん…それは困るな。

なんて考えていたら、


チュッ


不意打ちのキス。



< 32 / 76 >

この作品をシェア

pagetop