【完】小さなしあわせ、重ねよう。


「こう...して...欲しかったんでしょっ」

…え?

『いや、全く。』
とは、可愛すぎて言えなかった。

だって、

…真っ赤な顔をして目を思いっきり逸らしているんだから。


…まぁ、他の女なら言うけど。


「あ、あれっ!?違った!!?...でっ、でもっずっと口元見てたじゃんっ?!」


…まじか...俺ホント無意識だった。
ただの変態みたいじゃないか。


「ね、ねぇっ!聞いてるっ?!」


真っ赤な顔して上目遣いとか、


「…どこでそんなワザ覚えたの...」

「えっ?なに?!」

「いーや、何でもないよ。俺腹減った」

「あ、うん!?早く作るねっ」


そう言って、また料理に戻る畑辺。


…まじ可愛いーんだってのっ!!


てか、聞こえてなくて良かったー。

まぁね、身長差的にどうしたって畑辺の方が低いから見上げることになるよっ?!
だけどさっ、そろそろ分かって欲しい。

…俺の本能と理性の闘いを。


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