【完】小さなしあわせ、重ねよう。
さっ、綺麗にテーブルを拭いて皿を置いておこう。
四隅から中央にホコリを集めるように拭き、最後にそのホコリをしっかり取る。
そして、言われた通りに皿を置いた。
…もう、終わった。
「…畑辺、他に手伝えることない?」
味噌汁の味を確認しているところに訊く。
「えっ!?...あ、じゃあ...そこのピーマンの...持って...いっててっ?」
さっきのがまだ頭の中にあるのか、目をそらしてしどろもどろに言う。
そんなところも好きだと思う。
「うん、わかった」
ピーマンの、というそれを手に取り、テーブルに運ぶ。
ピーマンとソーセージの塩コショウ炒めかぁ。
…懐かしい。
そう思っていると、鮭が焼けたようで、
ごはんや味噌汁、焼き鮭、ほうれん草の胡麻和えが運ばれてきた。
「さ、食べよっ」
その言葉を合図に朝食は始まった。