【完】小さなしあわせ、重ねよう。
「でも...嬉しかった....本当に嬉しかったんだよ。」
「俺のために一生懸命に作ってくれた親父の心遣いが。」
…本当に大変だったと思うんだ。
家事をしたことなんてほとんどないのに、保育園の送り迎えもして、本当はすっごく疲れてたはずなんだ。
「…いい...お父さんなんだね」
今まで黙って話を聞いていた畑辺が口を開いた。
目にはうっすら涙が浮かんでいた。
なんで畑辺が泣きそうなの。
「あぁ...もうしばらく会ってないな」
「えっ?!どのくらい?」
「う~ん…高2から」
「今大3だから...もうかれこれ5年程会ってないじゃん!」
実は俺、
喧嘩して家を出てきたくちだったりする。
「もうそんなかぁ...」
「会わなきゃダメだよ!いつ、会いたくても会えなくなっちゃうかわからないんだよっ?」
「うん、近い内に行ってみるよ」