【完】小さなしあわせ、重ねよう。


「イヤ...じゃない」


あぁ、よかった。
イヤとか言われたらどうしようかと思った。


「なら…」

「でも、田邊くんはいいの?私と一生一緒だよ?」

「もちろん」


離してって言われても、
離れてって言われても、

離してやるつもりもないし、
離れてやるつもりもない。


「絶対一生一緒にいるから。畑辺なしの人生とか無理。」


…ガラにもなく顔が熱い。
絶対赤いんだろう。


「プロポーズみたい...」

「…ちがう。それは別...」

「じゃあ今のはなに~?」

「……愛の表現」

「え~、絶対今考えたでしょー?」

「…うるさい」


あんまりうるさいと...


「かわんっ」


…キスするから。


向かいに座っている畑辺の元に寄り、ギュッと抱き寄せて繰り返し唇を押し付ける。


…俺って案外キス魔なのかも。


ピーマンとソーセージと塩コショウの味が消えるほど溺れていった。




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