【完】小さなしあわせ、重ねよう。


リビングで同じソファーに座ってテレビを見ているが、


「「…………。」」


…やはり会話無し。


「なぁ、畑辺」

「…ん?」

「俺、何かした?」

「……ううん」


なにも、と言ったその顔はやはり曇っていた。
何かしでかしてしまったのかはわからない。
でも、気になる節ならひとつある。

アノ話のときの修也の一言。


『うわぁ...慶起ヒドッ』


ずっと引っ掛かってる。
このあとから畑辺は悲しいような顔をずっとしている。


確か修也の前の俺の一言は、


『俺はシないよ』


……あ~ぁ。
やっちゃった。
これ絶対、説明不足で勘違いされてるタイプだ。


「ねぇ、畑辺」

「…………ん?」


……間が長い。


「俺さ実は今すぐにでも畑辺を抱きたいんだよねっ」

「えっ!?でもあの時はシないって...」

「それはシたくないわけじゃなくて、シたいけど今はシないってこと」

「え??」



< 43 / 76 >

この作品をシェア

pagetop