【完】小さなしあわせ、重ねよう。

託し

.*..*..*..*..*..*..*..*..*..*.


「あ、忘れてた!」


しばらく色々なことを話していたが、急に畑辺のお母さんが思い出したように言った。


「ごめ~ん、笑美。お茶買ってきてくれなーい?」

「うん、分かった。車貸してね」

「ええ。はい、カギ。」


いってきまーす、と言って畑辺がリビングを出て行った。


畑辺って免許持ってたんだ。
……知らなかった。


てか、お義母さんとふたりきりとか気まずっ。
何話せばいいのかさっぱりだ。


『…………。』


うん、シーン…ってなるよな。
ははっ...はぁ~


そんな沈黙を破ったのはお義母さんの方だった。


「田邊くん」

「はっ、はいっ」

「ふふっ。そんなに固くならないでいいのよ」


柔らかくて優しい笑みを含みながら、そう言う。

そのお義母さんの笑みと畑辺の笑みが重なった。

…やっぱり親子は似るんだな。


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